千年女優
マルホランド・ドライブ
監督 /デヴィッド・リンチ
上映年/ 2001
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まず、映画を一度以上観ない方には絶対にオススメしない。
デイヴィッド・リンチ作品らしく、例えば、最近ではシックス・センスやアザーズのような「あ~なるほど」と初見だけで明確に理解出来る(真相に辿り着ける)映画ではないからだ。
しかし、大抵の方ならばもう一度(とは言わず)見たくなるはず。
自分なりの答えを見出すために。
「自分なりの」というのは訳がある。
この映画、僕はDVDで見たのだが、この物語のヒントがパッケージに同封されていた。
再見時にそのヒントを意識しつつ観たのだが、思うにこの映画、誰もが辿り着く明確な答えというものが存在しないのではないだろうか。
大抵の人は漠然とした解答には辿り着けると思うが、それを明確にする段階で、見る者の感性のベクトルによって答えが多様化する、そんな映画のように思う。
そういう意味で不親切で爽快感に欠けるが、ニューロンと感性の刺激になるであろう事は確かであると思う。
ヴァニラスカイ
アンダーグラウンド
マジェスティック
YAMAKASHI ヤマカシ
監督 /リュック・ベッソン(プロデュース?)
上映年/ 2001
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リュック・ベッソン監督(?)作品。
ヤマカシという超人的運動能力を持つ集団を主役とした作品なのだが、ヤマカシ達の言動・主義主張・問題解決の方法ともにただの「ならず者」のそれで、物語の巧妙の欠片もなく、ただただ最低だった。
見るだけ時間の無駄と感じた。
ブリジット・ジョーンズの日記
エド・ウッド
バイオハザード
スパイダーマン
監督 /サム・ライミ
上映年/ 2002.05.11
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面白いとの評判が高く、それを受けて見たせいもあるだろうが、ストーリ展開が稚拙・安直過ぎるように感じ、全然面白いとは思えなかった。
等身大の主人公、それが故の苦悩などの設定に化ける可能性は大きくあったのだろうが、それらが十分に描ききれていないのではないだろうか。
同じヒーロー物であれば、まだバットマンやX-MENの方が主人公の苦悩に共感を持つ要素が少ない分、稚拙なストーリーでも単純に楽しめた。
この映画は、人間ドラマとヒーロー作品の悪い意味での狭間に位置していて、そのどちら付かずの中途半端が、どちらの要素もダメにしてしまった作品だったように思う。
タイムマシン
監督 /サイモン・ウェルズ、ゴア・ヴァービンスキー
上映年/ 2002.07.20
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有名なSFの父、H.G.ウェルズ原作、曾孫のサイモン・ウェルズが監督。
タイムマシーンによる歴史(過去)への介入に関する定義に関してとても興味深い。
空想科学においても、敢えてボーダーを現実的に引く事によって、何でもありのSFではない「より現実的な空想」となっているところが、ある意味、原作当時の時代背景なのであろうか。
パラドックスやパラレルワールドの可能性を否定する(因果律を崩さない)ことによって、バックトゥザフューチャーのような何でも出来るお伽噺じゃないSFを堪能できる。
そのボーダーによって、タイムマシンすら産み出せる科学においても現実とならない空想がある事に苦悩する主人公のドラマ(人生)に共感を持てた。
科学の進歩によっても、人間は神には成り得ないというメッセージを感じた作品。
強くオススメはしないが、僕個人的には考えるテーマを与えてくれた良作だった。
ホワイトアウト
キャッツ&ドッグス
少林サッカー
アトランティス
シュレック/アイスエイジ
面倒くさいから一緒に扱う。
どちらもハリウッドフルCG。
しかし、ディズニーにしてもドリームワークスにしても、彼らの作るキャラクターって非常に可愛くない(ピクサーは例外)。
そして、これもそれらに決まってそうだが、演出を「盛り沢山」にしようとし過ぎて五月蠅いだけで妙の欠片もない。
かと言ってバカ映画にもなりきれない。
あと日本語吹き替えで芸人が多く担当していたが、普段コントなどやっているだけに上手だったのは流石だと思った。
しかし、シュレック役の浜田はひどすぎ。
司会ばかりでコントやらなくなったからか。
話題性重視で作品レベルを下げられると、作品の全てが嫌いになるなぁ。
ロード・オブ・ザ・リング
アヴァロン
スタートレック・ネメシス S.T.X
監督 /スチュアート・ベアード
上映年/ 2003.04.12
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スタートレック映画として10本目、ネクストジェネレーション(TNG)シリーズの最終章。
これまで3本のTNG映画を見たが、TVの2時間モノに比べて、明らかに劣る内容だった。
シリーズを知らない人でも許容できるようにするための処置が、ファンにとってもそうじゃない人にとっても中途半端になってしまっていたのだろう。
で、最終章である今作はどうだったのかと言うと、やはり中途半端なのは変わらないのだが、それでも以前の作品に比べてファン寄りの姿勢を明確にした分、多少なりとも中途半端から脱却できていたように感じられた。
ストーリー的にも節目となる要素が盛り込まれていたり、スタートレック映画で初めて泣けたる要素が盛り込まれていたり、ファンとしては十分に楽しめるだろうと思うのだが、やはりTVの2時間モノには叶わなかったのは、最終章なのに残念でならない・・・。
ちなみに、スタートレックシリーズを見たことない人のみならず、TNGシリーズを見たことがない人にとっての評価は2~3点といったところだと思う。
A.I.
監督 /スティーヴン・スピルバーグ
上映年/ 2001
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キューブリックの遺作(企画だけ?)をスピルバーグが引き継いで完成させた作品。
僕の友人は絶賛し、またネット上の幾つかの批評においても良い評価だったのだが、僕には特に評価すべきものを発見できなかった。
友人も、ネット上の批評家も、子を持つ親である共通点があるので、その要素がこの映画の評価の善し悪しを分ける要因であるのかもしれない。
とは言え、ラストは泣けた。
しかし、泣かされている事を自覚していた。
以前から思っている事だが、決して泣ける映画が良い映画とは言えない。
愛する子供や恋人や親を描くシーンがあり、その存在が死ぬシーンがあれば、人は簡単に泣ける。
泣かされる事を予測でき、泣かされている事を自覚できるような映画は、逆に泣ける事以外での要素が、その映画の善し悪しを分けるのではないかと思うのだ。
この映画のラストは、そのラストシーン十数分の前に、数分間2人が親子である事を観客に認識させるシーンを付加するだけで泣けるシーンとして成立する。
その手の「お涙頂戴シーン」を否定するつもりはないが、評価すべきはそこに至る道筋だとは思っている。
そういう意味でこの映画を評すると、イマイチだと言わざるを得ないのだ。
この映画、子供ロボットが捨てられた後のアドベンチャーが上映時間の多くを占めているが、このドラマにおいて長いアドベンチャーなど不要じゃないだろうか。
感情を持つロボットとは、物理的構成要素や生存のためのエネルギー補給方法や代謝は違えど、人間と何ら変わりない存在であり、それは即ち人間であるはずであろう。
その辺の、人間と感情を持ったロボットとの関係における、愛情と生理的拒否反応のアンビバレンツで揺れ動く心にもっと、注目して描かれていれば、とても興味深い物語になったのではないか、と強く思った。
スピルバーグのキューブリックに対するリスペクトも、中途半端な作品にしてしまった要因の一つではないかと思う。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
監督 /ニール・ジョーダン
上映年/ 1994.12
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古い作品で申し訳ないが、一応最近見たので。
悪くない作品だった。吸血鬼モノというと、宗教思想下における悪役であったり、アクションホラーの悪役であったり、既成概念の枠に納まる「お約束」モノばかりである中、この作品における設定や物語はその呪縛から解き放たれ、そして魅せる物語として成り立っているところが素晴らしい。
良心を持つ吸血鬼である主人公が愛情を注ぐ対象を幼女とした事も、下手な恋愛モノへ堕ちなかった重要な要因だったのだろうし、主人公の純粋な愛情を上手く表現できた要因でもあったのだろう。
良心を完全に放棄したレスタト(トム・クルーズ)、向上心を持ちつつも責任は放棄しているアーマンド(バンデラス)、快楽のみを追求するサンティアゴ、吸血鬼であることと良心を持つことの二律背反に悩むルイ(ブラッド・ピット)など興味深いキャラクターが並ぶこの物語は、まさに僕たち人間の物語だと感じた。
ただ、完結したとは思えない終わり方だったのが残念。
続編にあたる作品があるようなので(とは言え完全なる続編ではないのが想像できるが・・・・)、それを楽しみとしよう。
天使のくれた時間
監督 /ブレット・ラトナー
上映年/ ---
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ありがちな「IF」ストーリーなのだが、脚本、演出、そして主演女優(ティア・レオーニ)が良かったので、結果見て気持ちイイ作品となったように思う。
ところで、この物語でテーマとなる「安らぎは無くとも甘美な刺激に満ちた生活」と「刺激は無くとも安らぎと安定に満ちた生活」という二択選択肢があるのだが、その選択に強い意志と覚悟が伴わなければ、結局どちらをとっても後々無いものねだりになるのではないだろうか。
この映画の場合、刺激に満ちた生活を送っている者が主人公であったためのストーリーだが、逆に安定に満ちた生活を送っている者のIFストーリーも並立するわけだ。
この映画は「どちらの生活スタイルが優れている」という視点で見るのではなく、人生の岐路の選択は強い意志と覚悟がなければどちらを選んでも後悔する事になるよ、という教訓として見ることをオススメする。
PLANET OF THE APES 猿の惑星
監督 /ティム・バートン
上映年/ 200.07.28
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オリジナルを見たのは多分小学生の頃だったと思うが、ラストシーンの恐怖・衝撃はいまだに憶えている。
子供には強烈すぎた悲劇的結末は、そのせいで過剰評価の記憶となって残っているだろう事は想像できるが、その分を差し引いたとしても、このリメイク版(とは言えストーリーからして全く違う)のストーリーは、残念ながらオリジナルに遠く及ばない。
ラストシーンも説明不足で衝撃どころではないといった印象だ。
僕はシザーハンズやナイトメアビフォアクリスマスを創り上げたティム・バートンは大好きな映画監督の一人なのだが、この映画のどこにも彼らしさが感じられなかったのが一番悔やまれた・・・。
ところで、この映画にティム・ロスが猿役で出演しているのだが、凄まじい特殊メイクで彼だとわからない。
う~ん、彼である必然ないんじゃないかなぁってちょっと思ったりして。
小説吉田学校
監督 /森谷司郎
上映年/ 1983.04.09
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1983年公開という古い邦画。
サンフランシスコ講和条約から第五次吉田内閣解散までの政界内幕を綴る物語となっている。
登場人物は全て実名であり、歴史の内幕を語るような内容になってはいるが、原作執筆時は、登場人物や登場人物の二世が政界の実権をまさに握っていた時代であるので、ある程度美化されたものとして受けとめ得ておいた方が良さそうだ。
しかし、戦後の日本政治の歴史上重要な出来事であったサンフランシスコ講和条約成立への流れなど、興味深いテーマを扱っている事は確かなので、日本国民として見ておいて損はないと思う。
特に、吉田茂を「バカ野郎発言」のみでしか認知できていない人であれば尚の事、機会があれば見てもらいたい。
同名の原作小説もあるので、それもいつか読んでみたいと思っている。
リアリティ・バイツ
監督 /ベン・スティラー
上映年/ 1994.12
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有名なSFの父、H.G.ウェルズ原作、曾孫のサイモン・ウェルズが監督。
タイムマシーンによる歴史(過去)への介入に関する定義に関してとても興味深い。
空想科学においても、敢えてボーダーを現実的に引く事によって、何でもありのSFではない「より現実的な空想」となっているところが、ある意味、原作当時の時代背景なのであろうか。
パラドックスやパラレルワールドの可能性を否定する(因果律を崩さない)ことによって、バックトゥザフューチャーのような何でも出来るお伽噺じゃないSFを堪能できる。
そのボーダーによって、タイムマシンすら産み出せる科学においても現実とならない空想がある事に苦悩する主人公のドラマ(人生)に共感を持てた。
科学の進歩によっても、人間は神には成り得ないというメッセージを感じた作品。
強くオススメはしないが、僕個人的には考えるテーマを与えてくれた良作だった。
チャーリーズ・エンジェル
監督 /マックG
上映年/ 2000
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有名なSFの父、H.G.ウェルズ原作、曾孫のサイモン・ウェルズが監督。
タイムマシーンによる歴史(過去)への介入に関する定義に関してとても興味深い。
空想科学においても、敢えてボーダーを現実的に引く事によって、何でもありのSFではない「より現実的な空想」となっているところが、ある意味、原作当時の時代背景なのであろうか。
パラドックスやパラレルワールドの可能性を否定する(因果律を崩さない)ことによって、バックトゥザフューチャーのような何でも出来るお伽噺じゃないSFを堪能できる。
そのボーダーによって、タイムマシンすら産み出せる科学においても現実とならない空想がある事に苦悩する主人公のドラマ(人生)に共感を持てた。
科学の進歩によっても、人間は神には成り得ないというメッセージを感じた作品。
強くオススメはしないが、僕個人的には考えるテーマを与えてくれた良作だった。