kaleidoscope dp on site | 写真と哲学と僕のお気に入り | 5D Mark IIによる写真など

Canon EOS 5D

3年というデジタル時代としては非常に長い間主力であった名機。
デジタル一眼レフカメラとして僕が最初に購入したカメラ。

35mm判フルサイズの撮像素子を持つ事

それまで20年近く35mm判カメラを触ってきていて、その画角感覚に慣れ親しんでいたという事と、デジタルになったからといってAPSサイズの撮像素子がマジョリティになるとは思えなかった。
また、フィルム時代に使用していたコンタックスというメーカーが発売予定としていたデジタル第一弾の製品もまた35mm判だったし、KodakやCanonなどから、ポツポツと同様の製品が登場し始めていたので、デジタルシステムを導入するならばフルサイズ機と決めていた。

フルサイズの出始めからしばらくは本体80万円台という価格帯で、到底手が出るものではなかったが、いずれ35mm判撮像素子搭載デジタル一眼レフカメラが一般的に買える価格帯にまで降りてくるであろう事は予想していたので、とにかくは待った。
待たざるを得なかったのだけど。。

そんな折り、突如として本体30万円台という破格値で発表されたのが5Dだった。

ズバ抜けた高感度ノイズ耐性

それまでフルサイズ機を出していたのは、Kodak、CONTAX、Canonだったのだが、KodakやCONTAXは撮像素子の性能が低く、吐き出されるデータは多くのノイズが乗っていた。
当時は、徐々に高感度ノイズ耐性への注目が高まっていて、APSサイズのデジタル一眼ではISO1600で撮れて、しかもISO800辺りでは実用的に使える絵である事が評価の対象となっていたのだけど、KodakもCONTAXも実用感度がISO50、ISO100であっぷあっぷという有り様。
ISO100までしか実用的じゃないと、昼間の明るい所じゃないとまともに使えない。
それじゃ余りに不便。

でも5Dは違った。
ISO800までは余裕で使え、1600でも何とか、3200は緊急用として使用に耐えた。
そのノイズ量は、画素ピッチに余裕のない4/3勢やAPS勢を余裕で凌ぐ。

フルサイズ故にボケる

EOS 5D、42mm、F3.5

EOS 5D、42mm、F3.5で撮影

K100D Super、42mm、F3.5

K100D Super、42mm、F3.5で撮影



35mm判本来持つボケ味だけが特別に美しい訳ではない。
だが、APSとフルサイズで、双方が同じレンズで同じく写るように撮るには、フルサイズは寄らねばならず、双方が同じ場所から同じく写るように撮るにはフルサイズは焦点距離の長いレンズを使わなければならない。
要するに、同じ「画角」で撮ろうとした場合、単純に被写界深度がフルサイズの方が狭くなる=ボケるということなのだ。

被写界深度が狭いのは、単純に特性であってメリットでもデメリットでもあり得る。
一眼レフを使う誰もが、そして何時でも被写界深度の狭い写真を撮りたい訳ではないのだから、パンフォーカスの写真が撮りたい時には、撮像素子の小さい方が良い訳で、この場合フルサイズはデメリットともなる事は憶えておいてほしい。

フルサイズ故に高感度に強い

というのは、単純にAPSサイズの撮像素子と同画素数の場合、フルサイズの方が画素ピッチが広くなるから、1画素により多くの光子が入る事になるから。
だから、高感度ノイズが少ない。
この点においては、価格が上がる事を除いてメリットしかないだろう。

フルサイズ黎明期の名機としての5D

デジタル時代となってから、撮像素子、背面の液晶モニタ、画像エンジンなどの日進月歩の進化により、モデルサイクルが非常に短い。
大抵のモデルが1年〜1年半程度で型落ちとなっていく。
そんな中、この5Dは3年間も現役で居続けた。
それも、ただダラダラと居続けた訳じゃない。
商品として、競合する製品が他メーカーから出されなかったという事ももちろんあるが、最後まで最新型機と比較されても勝るとも劣らずで居続けた。
いや、後継機であるEOS 5D MarkIIと比較しても、画素数と超高感度域を除き、特に5Dが劣るとは感じられない程なのだ。

実際にWEBでの画質比較などでは、最新型のAPS機はもちろん、最新型のフルサイズ機(Nikon D3、D700、SONY α900)に負けているとは感じられない。
これは、ユーザーバカ的な視点ではなく、贔屓目なしでの話し。

他メーカーや後継機の発売によって、フルサイズ市場は一気に花開いたが、この5Dがその道を作った事は誰も否定しないだろうし、そして後年伝説となるであろう名機である事は間違いない。

後継機EOS 5D Mark II発売後

5D自体のモデルサイクルが例外的に長かったため、さすがにカタログスペック的な比較では一世代前の臭いが漂い始めていた。
特に、ゴミ取り、3型液晶ディスプレイ、VGA解像度ディスプレイ、ダイナミックレンジ拡張、暗部自動補正、ライブビュー、超高感度など、5D発売後にデジタル一眼のトレンドとなった機能が搭載された後継機を待ち望む声が大きくなったいた。
それ故に、何度も後継機発表の噂が、場所によってはほぼ毎月立っていた程。

そして、ついに2008年9月に発表となる。
発売後、大人気で2ヶ月ほどの納品待ちとなるなど、30万円クラスのカメラとしては異例といえる状況だが、僕もご多分に漏れず購入を希望している。

すぐに買うつもりはないが、来年5月に結婚式の撮影を頼まれていて、それまでには買うはずだ。
別に5Dに不満はないが、仕事で使う機会が多くなったために機材のダブルブッキングなどが稀にある事と、物撮りなどでライブビューを活用したいという事、仕事でムービーの撮影の際の飛び道具として
活かせるであろう事、そして5Dでは撮れない超高感度が生きる暗い場所での撮影などで活躍してくれるであろうという期待と、僕自身の物欲によって。

5D Mark II購入後も5Dを使い続ける。
買い替えではなく、買い増し。
通常の撮影では、5Dに全く不満はないから。

2008年12月著