TOYOTA MR-S 納車後12年目の所感
リバースには入るし動くのだけど、前進しない。
ディスプレイ表示では[1]と出るし、シフトアップ操作をすれば[2]に変わるけど、少なくともクラッチは繋がる様子なく、エンジンだけが虚しく回る、そんな状態。
時折、操作もしていないのにディスプレイ表示が[5]になったり、クラッチ繋がった様子もないのにエンジンがスゥーっと停止したりもする。
動かないので牽引してもらってディーラーへ。
ディーラー診断では「アクチュエーターは交換決定で、バラしてその先にポンプやコンピューターなども交換が必要になるかも」とのコト。
アクチュエーター交換だけで、部品代と工賃合わせて14万円。
でも、アクチュエーターはギアチェンジにもクラッチ操作にも使われているとのコト。
リバースギアに入るし、クラッチ繋いで動くのに?
アクチュエーター交換必要?
デュスプレイ表示が[5]になったりパニクっていたのを鑑みると、どっちかっていうとコンピューターエラーじゃないの?
と不審に感じ、また14万円以上も支払わなければならないのなら、仕事上のクライアントの中古車ディーラーさんにお願いしようと思い立ち、移送。
それでも結局ほぼ同様な見積り額だった。。。
SMT故障というギャラルホルン
今年中には会社のスタッフに譲るつもりでいたので、この段階で自分で20万円出して修理するのもなぁと思い、該当のスタッフに「修理費出してでも乗る気ある?」と確認したところ「乗ります」とのことだったので、これを期に里子に出すことになりました。
これまでほぼ丸12年乗り続けた、奇跡の車MR-S。
剛性不足であちこちからギシギシ鳴り、嫁が日光に弱いことからここ3年で数回しかオープンにしなかったけど、結局飽きることなく乗り切ることになった。
86に惹かれたけど、ATミッションがトルコンベースだったので熱が冷めたのも、MR-SのSMTの気持ち良さがあったから。
正直、86にDSG的なミッション載ってたら確実に気持ち持って逝かれてたとは思うけどw
その他、MINIもトルコン、BMW1クーペはチト高い、新チンクもガタイの割に高いなど、ちょこちょこ他の車に惹かれてはMR-Sを超えることなくてずっと乗り続けてきた。
でも、そんなに惹かれてたSMT故障は、タイミング的にも別れのギャラルホルンだったのかもしれない。
その故障がなければ、きっとまだ乗っていた。
乗り換えた後、やっぱりMR-Sが良かったと感じるか、良い思い出として捉えられるか、ちょいと不安だけど、気持ちは決まった。
夢を叶えてくれた車 MR-S
車に対する夢として、ガルウィングの車に乗るコトをSERAで叶え、オープンに乗るコトをMR-Sで叶えた。
10年以上満足して乗り続けられる車にも出会えた。
あとは外国車、特にアルファロメオに乗るコト、旧車に乗るコト、スーパーカーの部類の車に乗るコトなどの夢がある。
その内のどれかを叶える車に乗ろうと思う。
MR-S、あまりにもイイ車だった。
TOYOTA MR-S 納車後10年目の所感
相変わらずの惚れ込みよう
僕は、未だにこの車、MR-Sが大好きだ。
車を降りてから振り返って見る姿は、未だにカッコイイと思う。
運転している時に五感を通じて伝わってくる路面状況や自分を取り巻く周囲の状況の情報が、未だに気持ち良く感じる。
SMTのシフト操作も、未だにしっくりくる。
荷物が載らない所が不満だという、言っても仕様がない不満しかない所も、未だに変わらない。
僕にとってのMR-Sは、購入当初から変わらずに僕を魅了し、乗り換えたいという気持ちを起こさせてくれない。
その想いに、実は自分でもとても驚いている。
それでも買い替えは…
それでも、買い替える事は考えないでもない。
何せ荷物が載らない。
2人しか乗れない。
アルファロメオMitoや、MINI、BMW 1シリーズクーペなんて乗ってみたいな〜なんて思う。
特にBMWについては、BMWご自慢のシルキー6と、2002ターボ的なヤンチャなイメージに本気で惹かれてもいるんだけど、残念ながら結構高くて買う気にはなれやしない。
Mitoは、FFだけどセレスピードが載ったら乗りたいかもしれない。
MINIは、miniの時代から憧れていたので、DSG系ミッションが載ることがあったら乗ってみたいようにも思う。
でも、具体的に乗り換える算段はしていない。
今の車に対して、買う前からわかっていた不満しか未だにないからだ。
買う前から感じ、乗ってからも感じ続けている魅力が、まるで減衰していないからだ。
5回目の車検を通すかどうかはわからないけど、1年以内に買い替えはないだろう。
それがMR-Sに乗り始めて10年目の所感である。。。
あ、SMTは普及することなく、時代はDSGになってしまった。
DSGの超高速シフトチェンジ。
体験してはみたいな〜
※2009年7月29日追記
TOYOTA MR-S購入動機と納車後の所感
色はまたもやブラック。
この車との出逢いは、自動車雑誌のモーターショー特集記事内にあった一つの写真だった。
それは、長く続いたSW20型MR-2の後継機としての発表で、その写真を見た瞬間「次はこれに乗りたいなぁ・・・」と思った。
別項で書いているが、当時の所有車はSERAという個性的で特徴的な車だったため、次に乗る車を探しあぐねていたのだが、これならばSERA同様に、いや、SERA以上に所有する喜びを感じられるだろうと思ったのだ。
そう感じる要因は、何よりもオープンカーである事。
僕が持っていた車に関わる昔からの夢に「ガルウイングの車に乗る事」と「オープンカーに乗る事」があった。
当時、そのうちの一つは叶えられていたわけで、残るはオープンカーのみだったのだ。
そこにMR-Sである。
ミッドシップという特異性も加わる。
惹かれるだろう。
それから発売まで時を経た。
突然、父が会社の試乗車に乗って帰宅してきた。
当然、数時間借りて乗った。
それがオープンカー初体験だったのだが、SERAの疑似オープン感覚とは大きく異なるその感覚に驚愕した。
天井にガラスも梁もない視界というのは、心細くなるほどの開放感だったからだ。
最初は人の視線が気になったが、次第に気にならなくなり、自分の開けた視界にただ満足をしていた。
やはり、僕が求めていたのはコレだと確信をした。
2シーターという制約も、2人以上人を乗せることが皆無だったという事実を理由に、自分自身を納得させることが出来た。
それでSERAからの乗り換えを決意したのだった。
購入後、慣らし運転をする訳だが、仕事を夜の9時に終えるウィークデイにも関わらず、1000km到達に5日と掛からなかった。
どこへ行くにも運転が楽しく、また夜でも景色を楽しめた。
どこへ行くにも、それまでのSERAに比べて半分程度の時間・距離しか感じない程の快適さだった。
この車に乗って2年になるが、未だその楽しさは衰えず、所有する喜びも減退することなく、この車を選んだ事に満足している。
この写真の上部にあるロゴは、 imoc (international MR-S owners club)の北海道支部である imoc Northern Satelliteのロゴの一つ。
MR-Sという車は、2シーターである事、オープンカーである事、積載能力が低い事などの理由から、あまり売れる車ではない。
北海道という降雪地帯では尚の事だ。
その希少性故に得難い情報をimocでは得ることが出来る。
Northern Satelliteでは、降雪地帯のオーナーにしか分かり合えない情報をも得ることが出来る。
もし、このMR-Sという車を所有しようと考えている方が当サイトをご覧になっているのであれば、上記サイトへ一度訪れることをオススメする。
僕も参加している。
中にはオーナーバカ的感想などもあるが、大抵はオーナーの客観的評価という有益な情報を得られる。
是非、ご覧頂きたい。
※上のタブで選択してください。
※2008.12.02追記
現在、imoc Northern Satelliteサイトは、WEBマスターがMR-Sから降りたか、またはメーカーの生産中止を機にか、何かしらの理由で閉鎖しました。
MR-Sの情報は、地域を問わずmixiなどで収集可能です。
5S/MTについてのインプレッション -1-
MR-SのSMTの構造・特徴と、一般走行における問題点
このシステムは、よくマニュアルモード付AT(ポルシェのティプトロニック等)と同様の機構と勘違いされるが、それらはATの変速を手動化したものでミッション自体はATの構造(トルコン)を持つものであり、MR-SのSMTとは根底から別物。
MR-SのSMTとは、例えばアルファロメオ156等に搭載されている「セレスピード」や、フェラーリ360に搭載される「F1ミッション」同様、基本構造である純粋なマニュアルトランスミッション(MT)に、主にクラッチ操作を油圧で自動化する機構が付加されたものを指す。
よって、フィーリングもマニュアルモード付ATとは違い、完全にMTのそれであり、ダイレクト感のあるものとなっている。
基本構造がMTなので、シフトをシーケンシャル(S)ゲートに入れてもクリープはなく、アクセルを踏み込むまでは、MTで例えれば「クラッチを踏んで1速に入れた」状態。
アクセルを踏み込むと、ベテランドライバーが丁寧に発進するときのようなレベルでクラッチ操作され、スムーズに発進する。
決して回転を上げすぎて長い半クラッチをするわけではなく、どこからどこまでが半クラッチかわからないレベルで、回転数も段付きなく自然に上がっていく。
開発自体はドイツのルーク社らしいが、トヨタ車に搭載される機構なので、クラッチ板の寿命も考慮された最適なクラッチミートがなされているものと想像する。
発進後の変速だが、シフトアップについてはオーナーからタイムラグがあるという声をよく聞く。
かく言う自分も、最初はそのタイムラグを強く感じたが、自動車雑誌でMTとのゼロヨン比較では0.2秒差であった事や、冷静にタイムラグを分析した結果、体感上感じるのタイムラグの大部分は、錯覚であると思われる。
MTにおける変速時間は「変速作業を為す時間」で占められているが、SMTにおける変速時間は「変速が終わるのを待つ時間」が主である。その時間内の作業密度の違いが「MTより待ち時間が多い」と感じさせる要因なのだろう。
実際、SMTのシフトアップ時間は「熟練ドライバーによる変速」レベルであると思われる。
よって当然、超スピードのシフトアップではないのだが、遅くもないのだ。
SMT同等のシフトスピードを常に行おうとすると、結構一般ドライバーには辛いのではないだろうか。
次にシフトダウンだが、これは誰もが気持ちイイと感じられると思う。
高回転時のシフトダウンでは自動的にブリッピング(空吹かし)を入れ、回転を合わせてくれる。
ブレーキを踏みながらシフトダウンすれば、自動ヒール・アンド・トゥだ。
変速時のショックは殆ど無く、変速によるエンジンブレーキの増大の変化だけが感じられる。
また、シフトアップ時とは違い、タイムラグもほぼ感じない。
各変速はシフトレバーかステアリングにあるスイッチによる操作が必要で、自動変速はされない。
よって、変速しなければレブリミッターにあたる。
シフトダウン後にレブリミットを超えてしまうような操作はキャンセルされ警告音が鳴り、規定速度未満におけるシフトアップもキャンセルされ警告音が鳴る。
また、走行中に減速し、その時点で選択されたギアの規定速度を下回っている状態でアクセルペダルを踏み込む(加速しようとする)と、一応強引な半クラッチで加速しようとするが「そんなムチャしちゃダメ」と警告音が鳴り続ける。
しかし自動的にシフトダウンする事はない。
このシステム上唯一自動変速がなされるのは、走行→停止の時のみ。
一定の回転数まで落ちるとクラッチが切られ、停止速度付近で1速へ自動的に戻される。(2速発進した場合は、2速へ戻る)
雪道のような低μ路を想定してか、2速発進も可能だ。
他オーナーの話しで「R(バックギア)に入りにくい」とか「始動時に1→2変速が遅い」とか聞くが、これは基本構造がMTであることを考えれば仕様がないところだろう。
バックギアは他のギアと違い平歯車が使われているので、SMTに限らず入りにくい構造となっている。
MTでバックギアに入らない状態にSMTがなっていると考え、Nに戻してRに入れ直す(または吹かしてから入れ直す)などの処置をすれば問題ない。
また、始動時に変速が遅いのも、MTにおけるミッションオイルの低温硬化による操作性の悪化と同様であり、ミッションオイルが温まれば(ミッションオイルは静止状態でのアイドリングでは暖まらない)スムーズになる。
どちらも、SMT固有の問題ではなく、MTの構造上仕方ない事であり、どのMTでもあることなので不具合と呼べるものではない。
特に問題という問題は見当たらないが、挙げるとすれば一つ。
超低μ路(凍結路面)においての発進時、アクセルをラフに操作してホイールスピンした場合等で、クラッチ操作がチグハクと、まるでパニックを起こしているかのような動作をする時がある。
そのような状況に陥った際のプログラムがされていないのであろうか。
適切な処置とはとても言えない動作をし、かなり発進に手こずる事がある。
特に低μ路で行う2速発進時にそうなってしまうので、その場合2速発進は使えない。
それだけは不満だ。
5S/MTについてのインプレッション -2-
シフトレバー、ステアリングスイッチについての考察
見た目似のマニュアルモードATでのシフトレバーによる変速方法のスタンダードは、押す(前方向)とアップ、引く(後ろ方向)とダウンとなっている。
MR-Sと同じトヨタでもそのスタンダードなのだが、MR-Sは正反対なのだ。
スタンダードには反しているが、実際にこれを使うと、これこそが正当であり理想であると確信できる。
例えば、シフトダウンする状況というのはどういう状況かを考えてもらいたい。
追い越し加速のためのシフトダウンを除いて(これはサーキットではあり得ない状況)、減速によって必要となる行為である。
ドライバーの体は慣性で前方へ投げ出される力が働いている状況であると言える。
その状況下で必要となる動作は、当然その状況下で「やり易い」動作であるべきであろう。
となるとシフトレバーを「前方へ押す」動作がそれにあたることになるであろう。
また、シフトアップする状況というのは、加速によって必要となる行為である。
ドライバーの体は加速Gによって後方へ押しつけられている状態である。
となるとシフトレバーを「後方へ引く」動作がやり易い動作となるのだ。
要は、MR-SのSMTのシフトレバーの操作は「やり易い」のだ。
体に掛かる外的要因に逆らわない自然な動作すればよいのだから。
逆に、「やり辛い」操作をさせるスタンダードの意図に疑問を感じる。
加速時、シートに押しつけられている状況でレバーを前方に押させ、減速時体が前方へ投げ出されている状況でレバーを後方に引かせる意図は何であろうか。
し易い動作というのは、逆に誤操作の元にもなるかもしれないが、加速時に間違ってシフトアップする事も、減速時に間違ってシフトダウンする事も、どちらも大した問題ではないだろうが、その逆はちょっと問題だ。
という事から、僕はMR-Sのような操作方法をスタンダードにすべきだと思う。
ステアリングスイッチも同様。
よくあるステアリング後方のパドル式のものとは違い、ステアリングスポークの表裏にアップ・ダウンのスイッチが付いている(左右同様)。
ステアリング表側(親指で操作)がダウン、裏側(人差し指・中指などで操作)がアップ。
前述のように操作がやり易い配置となっている。
また、パドル式ではないのも実は悪くない。
何故かというと「片手で操作できる」から。
パドル式での片手運転は困難だろうが、ステアリング表裏スイッチだと、まったり運転の際の片手運転が可能となる。
一応利点にはなると僕は思うが・・・。